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『大群獣ネズラ』とは

『大群獣ネズラ』は「ガメラシリーズ」や「大魔神」以前、1964年に公開が予定された大映特撮怪獣映画の第1弾となるはずだった作品。
1963年秋に撮影が始まり、「実際の生きたネズミをミニチュアの中に置き、巨大な怪獣に見せかける」という凄まじい方法で撮影されたが災難がおきた。
ノミ、ダニの大量発生で大パニック!
スタッフはガスマスクで撮影するなど対策をとったが、近隣住民のクレームにより、保健所が撮影禁止を勧告、ネズラ撮影は中止され、宣伝用のスチル写真と小規模のフィルムを幾つか残したまま映画は幻と消えてしまったのだ。
しかし翌年、大映はネズラの失敗にもめげず新たに怪獣映画を企画し大成功に至った。それが『大怪獣ガメラ』である。

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▲現存するスチル写真(©KADOKAWA)


映画『ネズラ1964』

『ネズラ1964』はそんな『大群獣ネズラ』の製作奮闘記をモチーフに描く。
特撮に本物のネズミを使用したことでの苦悩や挫折、そして後の『大怪獣ガメラ』制作の奇跡へと繋がる物語である。
株式会社KADOKAWA(旧・大映)企画協力のもと、1963年から1964年当時の背景を徹底的にリサーチ。『ネズラ』を最後まで諦めなかった、当時の特技監督やスタッフに敬意を払い、この作品を制作することを決意した。

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【作品情報】
『ネズラ1964(ねずら いちきゅうろくよん)』
英題:Nezura 1964
上映時間:55分
上映(アメリカ):2022年7月15日 G-FEST
上映(調布):2022年1月29日 調布市文化会たづくり
上映(横浜):2021年12月4日-12月10日 シネマノヴェチェント
上映(熱海):2021年11月21日 第4回熱海怪獣映画祭
上映(名古屋):2021年9月18日-9月26日 シアターカフェ
上映(京都):2021年2月26日-3月11日 京都みなみ会館
上映(池袋):2021年2月19日-2月25日 池袋HUMAXシネマズ
上映(池袋):2021年1月16日-1月22日 池袋HUMAXシネマズ
上映(池袋):2020年12月19日 池袋HUMAXシネマズ


コンセプト

1960年代初頭は、東宝特撮シリーズ全盛期とも呼べるタイミングであった。その最中で大映は東宝に負けじと1963年に『大群獣ネズラ』を企画・制作した。
上記を理由に、ネズラは幻の作品になったが、それをバネに後のガメラシリーズの成功へと繋がった。
『ネズラ1964』ではそのような時代背景をベースに、困難な環境の中でも特撮映画を作り上げようとした製作者たちの奮闘を描く。
大映は以前にも『宇宙人東京に現る』というSF特撮映画や、円谷英二監督の特撮による『透明人間現わる』『虹男』などの作品を製作した実績があった。それだけに、『大群獣ネズラ』の制作は東宝だけが日本の特撮ではないという大映の意地と熱意があったのだろう。また『大群獣ネズラ』は、ヒッチコックの『鳥』をヒントとするモンスターパニックものとしての影響も強い内容で、これは東宝巨大怪獣映画とはまた違ったベクトルの作品を企画していた。
もし『大群獣ネズラ』が実現、成功していたら後の怪獣ブームはどうなっていたのだろうか。
日本の「怪獣もの」「特撮もの」のイメージはもしかしたら今と少し変わっていたのかもしれない。
ここで考えたいのが今日に至る怪獣・特撮という文化を振り返って見たときに『大群獣ネズラ』の「失敗」は果たして本当に失敗だったのかという点である。
ネズラがあったからこそ人気怪獣のガメラは生まれた。
それ以降、各社が様々な怪獣映画を制作し、その熱狂はテレビや書籍など媒体を問わない発展を遂げ、怪獣は子供たちを引きつけ席巻した。それらの作品が今に至る「怪獣観」を築き上げてきたのである。そこに至るまでには、日の目を見ることのなかった努力や取り組み、企画が山のようにあったことだろう。
私たちはそんな熱狂の時代に果敢に立ち向かった『大群獣ネズラ』を「実現しなかった多くの作品、そこに込められた人々の熱意の象徴」として光を当て、映画という表現方法でその製作背景を描き、その後の特撮史に間違いなく影響を与えたネズラの「奇跡」を、『ネズラ1964』を通して表現した。

※本作でも、再現度を高める理由として、一部のシーンで「生きたネズミ」を使用します。
リスクを伴う表現は、CGや造形での特殊効果を多用し、徹底した管理のもと撮影しております。
撮影による「虐待」を感じさせる表現は一切行っていません。

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▲映画『ネズラ1964』劇中シーン



マンモスネズラ

『ネズラ1964』には新オリジナルデザイン怪獣「マンモスネズラ」が登場する。
デザインは『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』で大仏デザインを担当した米山啓介。
『平成ガメラシリーズ』ガメラのスーツアクターである大橋明がマンモスネズラのモーションアクターを担当する。


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▲「マンモスネズラ」の雛形原型(作・米山啓介)




メインキャスト

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螢 雪次朗 役:ナガノ
埼玉県川口市出身。日活ロマンポルノや、雨宮慶太監督作品『ゼイラム』などに幅広く出演。1995年『ガメラ 大怪獣空中決戦』の大迫役で特撮ファンから広く知れ渡るようになる。
代表作:『ゼイラム』『ガメラ 大怪獣空中決戦』




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菊沢将憲 役:ツカジ
福岡県北九州市出身。役者・劇作家・演出家として活動。また、監督した映画『おーい、大石』が、ぴあフィルムフェスティバルに入選し映画監督としても注目を集める。
代表作:『わたしたちの家』『大仏廻国』




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米山冬馬 役:ユカワ
静岡県沼津市出身。高校生の時から自主制作映画に携わる。武蔵野美術大学で油画を学び、イラストやアニメーターとしても活動している。
代表作:『大仏廻国』『Hedorah Silent Spring』




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小野ひまわり 役:ミチコ
千葉県浦安市出身。子役として様々な作品やテレビ番組に出演。2006年『小さき勇者たち〜ガメラ〜』では、赤い石を運ぶ少女を演じ、存在感を発揮した。
代表作:『小さき勇者たち〜ガメラ〜』




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斉藤麻衣 役:ジュンコ
愛知県西尾市出身。デビュー作である映画『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』の出演以降、多くのウルトラシリーズに出演。
代表作:『超時空の大決戦』『仮面ライダー555』




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大迫一平 役:シゲオ
神奈川県出身。舞台にて数々の主演公演を務め、映画やドラマなどにも幅広く活躍。『図書館戦争』『デスノート LNW』など佐藤信介監督作品に頻繁に出演する。
代表作:『シン・ゴジラ』『デスノート LNW』




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佐藤昇 役:ムラオカ
山形県最上郡真室川町出身。劇団近代座、劇団シェイクスピア・シアターを経て、朗読活動など各地で展開している。伊丹十三監督作品出演の他、アニメ『チャージマン研!』で声優も担う。
代表作:『タンポポ』『チャージマン研!』




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内田喜郎 役:タキヤマ
1936年、東京都出身。 愛知県豊橋市出身。子役としてテレビや映画に出演し、大映専属になる。1965年『大怪獣ガメラ』でガメラに助けられる少年俊夫を演じ注目を集める。
代表作:『大怪獣ガメラ』『颱風とざくろ』




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佐野史郎 役:アズマ
島根県松江市出身。『夢見るように眠りたい』で映画初主演。1992年のテレビドラマ『ずっとあなたが好きだった』で一躍話題に。以降、多数のテレビドラマ、映画に出演。
代表作:『ウルトラQ dark fantasy』




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古谷敏 役:オヤジ
東京都出身。1966年に『ウルトラマン』にて初代ウルトラマンのスーツアクターを1年間演じ、『ウルトラセブン』ではウルトラ警備隊のアマギ隊員役でレギュラー出演した。​
代表作:『ウルトラQ』『ウルトラマン』




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マッハ文朱 役:モントウ
熊本県出身。元女子プロレスラーで現在はタレントとしてマルチに活躍​。1980年に『宇宙怪獣ガメラ』のキララ役で映画初主演。近年本格的に芸能活動を再開。​
代表作:『宇宙怪獣ガメラ』『マルサの女』



その他キャスト

ノーマン・イングランド/青木ラブ/桐山和久/田中克憲/原英博/藤山遼太郎/安田崇/ゆうま/阿部能丸



スタッフ

横川寛人 監督・脚本
1988年9月19日生まれ、静岡県沼津市出身。東京藝術大学美術学部彫刻科卒業。同大学院修了。2017年、戦前特撮映画のリメイク『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』を企画・監督し2018年末に完成。2020年12月、大映映画『大群獣ネズラ』の舞台裏を描く『ネズラ1964』が公開。株式会社3Y代表。


酒井健作 ブレーン
バラエティ番組を中心に活動する放送作家。2002年に『トリビアの泉~素晴らしきムダ知識~』で企画立案。2003年の『ゲームセンターCX』では企画・構成を担当。特撮関係では『ウルトラゾーン』で企画立案、『ウルトラ怪獣散歩』では脚本を担当。


浅井拓馬 美術(コンセプトアート)


山田果林 美術(3D造形)


黒澤津勝大/綾木友也 ネズラ造形


米山啓介 マンモスネズラデザイン


さくら 劇中題字


高橋ヨシキ ポスタービジュアルデザイン


今堀拓也 音楽


オーケストラ・トリプティーク 楽曲演奏


串田アキラ エンディングテーマ歌唱


田野倉健之 エンディングテーマ作詞


渡辺宙明 エンディングテーマ作曲


大石憲一郎 エンディングテーマ編曲


西耕一 音楽プロデューサー


坂井舞 ヘアメイク


築地まり/中野昭慶/浅田英一 スペシャルサンクス


エイブリー・ゲイラ コンサルティングプロデューサー


横川寛人/米山冬馬/浅井拓馬 製作


株式会社KADOKAWA 企画協力


株式会社スリーワイ 制作プロダクション


特殊撮影班

根津宙介 特技監督


渡邉聡 助監督


角洋介 撮影


石井那王貴 特殊美術


浅井拓馬 特殊造形


三木悠輔 特殊造形協力


徳永拓馬 視覚効果統括


北野貴士 電子造形


笹目史郎 素材協力


キヤノン株式会社 機材協力


特殊映画研究室 ミニチュア協力


大橋明 モーションアクター




関連グッズ

本編Blu-rayや主題歌CD、パンフレットなど関連する商品を幅広く取り揃えています。
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外部リンク


映画『ネズラ1964』Twitter
映画『大仏廻国 The Great Buddha Arrival』公式サイト
映画『怪猫狂騒曲』公式サイト
映画『HOSHI 35/ホシクズ』公式サイト
企画「小高恵美アニバーサリープロジェクト」公式サイト
株式会社スリーワイ公式サイト